神経・精神疾患の治験は、がん領域と並んで最も活発に新薬開発が進む分野です。多発性硬化症・アルツハイマー病・うつ病・統合失調症・てんかんなど、さまざまな疾患の治験が日本国内でも実施されています。
多発性硬化症(MS)の治験
🇯🇵 日本13施設
フェーズ3
FREXALT試験(フレキサリマブ)
SanofiのCD40L標的抗体「フレキサリマブ」と標準経口治療薬テリフルノミドを比較する二重盲検フェーズ3試験。世界384施設・1,600名規模の大型試験。従来の免疫抑制とは異なる新作用機序で再発率の低下を目指す。
主な参加条件:再発型MS・18〜55歳・EDSS 0〜5.5・過去1年以内に再発あり
アルツハイマー・認知症の治験
アルツハイマー治験の詳細はアルツハイマー治験2025年版をご覧ください。
- TRONTIER 1試験(トロンチネマブ):ブレインシャトル技術の次世代抗アミロイド抗体。日本11施設で実施中。
- ADEPT-5試験(KarXT):アルツハイマー病の精神症状(幻覚・妄想)に特化。日本2施設で実施予定。
うつ病・統合失調症・てんかんの治験
NBI-1065845試験(治療抵抗性うつ病)
Neurocrine BiosciencesのGABA-Aδ受容体調整薬。既存の抗うつ薬が効かない治療抵抗性うつ病への上乗せ療法。世界87施設・850名。
参加条件:大うつ病性障害・2剤以上の抗うつ薬で不十分な反応
ENIGMA-TRS 2試験(治療抵抗性統合失調症)
Newron PharmaceuticalsのNaV阻害薬エベナミド。ドーパミン系に依存しないグルタミン酸調整で、2剤以上の抗精神病薬に反応しないTRS患者を対象。
POWER2試験(ボルマトリジン・焦点てんかん)
Nav1.6高選択的阻害薬ボルマトリジン。先行POWER1試験で有意な発作減少シグナル確認済み。18〜85歳・300名。
参加条件:焦点起始てんかん・2剤以上の抗てんかん薬で不十分なコントロール
よくある質問(FAQ)
多発性硬化症の治験に参加するには病院を変える必要がありますか?+
必ずしも変える必要はありません。実施施設が現在の病院でない場合でも、現在の担当医に紹介状を書いてもらい、治験実施施設に転院(または並行通院)する形で参加できることが多いです。
うつ病の治験中、現在飲んでいる薬はどうなりますか?+
試験によって異なります。現在の抗うつ薬に「上乗せ」する形の試験(NBI-1065845など)では、現在の薬をそのまま継続しながら参加できます。一方、試験薬のみを評価する試験では、事前のウォッシュアウト期間が必要な場合があります。
てんかんの発作がある状態で通院できますか?+
車の運転制限がある場合も多いですが、公共交通機関や付き添いでの通院で参加できます。遠方の実施施設でも、交通費はスポンサーが負担します。
精神科の治験は本人の同意なしに家族が申し込めますか?+
判断能力がある成人の場合、本人の同意が必須です。判断能力に問題がある場合は、法定代理人が同意できる試験もありますが、詳細は実施施設にご確認ください。