日本では65歳以上の約7人に1人が認知症と推計され、アルツハイマー病は最多の原因疾患です。2023年のレカネマブ(レケンビ)の承認以来、抗アミロイド療法への期待が高まり、次世代治療薬の治験が急速に進んでいます。

日本で実施中のアルツハイマー治験(2025年)

🇯🇵 日本11施設 フェーズ3

TRONTIER 1試験(トロンチネマブ)

ロシュが開発する「ブレインシャトル」技術搭載の次世代抗アミロイド抗体。トランスフェリン受容体を利用して血液脳関門を突破し、従来薬の約100倍の脳内移行を実現。早期症候性アルツハイマー病患者800名・世界141施設。慶應義塾大学病院・京都大学病院・国立精神・神経医療研究センターなどが参加。

主な参加条件:50〜85歳・MCI〜軽度AD・アミロイド陽性確認・CDR 0.5〜1

🇯🇵 日本2施設 フェーズ3

ADEPT-5試験(KarXT)

BMS開発のムスカリン受容体作動薬KarXT。アルツハイマー病の幻覚・妄想(精神症状)に特化した試験。大阪大学・高知大学病院が参加予定。

主な参加条件:アルツハイマー病による幻覚・妄想症状あり・MMSEが一定範囲内

アルツハイマー治験で必要な主なスクリーニング検査

  • アミロイドPET:脳内のアミロイドβ蓄積を画像で確認。保険適用外のため治験費用で実施されることが多い
  • 脳脊髄液(CSF)検査:腰椎穿刺でアミロイドβ・タウタンパクを測定
  • 認知機能検査:MMSE・ADAS-Cog・CDR-SBなど
  • MRI:ARIA(アミロイド関連画像異常)のベースラインを確認

参加を検討する際の注意点

ℹ️ 抗アミロイド抗体療法の主な副作用としてARIA(アミロイド関連画像異常)があります。ARIAは脳浮腫や微小出血を起こす可能性があり、定期的なMRIでのモニタリングが必要です。ApoE4遺伝子保有者はリスクが高い場合があります。

よくある質問(FAQ)

家族(介護者)も参加が必要ですか?+
多くのアルツハイマー治験では、患者と一緒に来院できる介護者・同居家族の存在が参加条件になっています。通院のサポートや症状観察のレポートを担ってもらうことが求められます。
軽度認知障害(MCI)でも参加できますか?+
はい、MCIの方を対象とした試験があります。特に抗アミロイド療法の試験は「まだ軽度の段階」での介入が有効とされており、MCIまたは軽度ADが主な対象です。
アミロイドPET検査は費用がかかりますか?+
治験の一環として実施されるアミロイドPET・脳脊髄液検査はスポンサー負担で無料です。通常は数十万円かかる検査ですが、治験参加者は無料で受けられます。
認知症の診断書がなくても参加できますか?+
多くの試験では正式な診断よりも、認知機能テストの結果とアミロイド陽性確認が優先されます。まずかかりつけ医または神経内科・精神科への受診をお勧めします。