日本の糖尿病患者数は約1,000万人と推計され、世界でも有数の「糖尿病大国」です。インスリン注射不要を目指す再生医療から、腎臓・心臓を守る新薬まで、糖尿病領域の治験は多岐にわたります。

1型糖尿病の最新治験

幹細胞療法 フェーズ1/2/3

VX-880試験(Vertex・幹細胞由来膵島細胞)

ヒト幹細胞から人工製造した膵島細胞を点滴投与する世界初の細胞療法。低血糖無自覚症を持つ1型糖尿病患者でインスリン注射不要を目指す。Vertex Pharmaceuticals開発。

主な参加条件:1型糖尿病歴≥1年・低血糖無自覚症あり・18歳以上・免疫抑制療法に同意できる方

リパーパシング フェーズ2/3

フマル酸ジメチル(DMF)1型糖尿病試験

多発性硬化症で承認済みのDMFを1型糖尿病に転用。免疫調整作用でβ細胞破壊を抑制できるかを検証する既存薬リパーパシング研究。

主な参加条件:新規診断1型糖尿病・18〜45歳・Cペプチド残存あり

2型糖尿病・慢性腎臓病の治験

腎臓再生医療 フェーズ3

REGEN-006試験(rilparencel・腎細胞療法)

患者自身の腎細胞を採取・培養して腎臓に直接注射する自家細胞療法。2型糖尿病+CKD患者の腎機能低下を止めることを目指す。ProKidney開発・世界95施設。

主な参加条件:2型糖尿病+CKD(eGFR 20〜50)・18歳以上

肥満・代謝疾患の関連治験

糖尿病と深く関わる肥満・代謝疾患の治験も日本国内で実施されています。

  • Eloralintide試験:イーライ・リリーのアミリン類似体。日本9施設で実施中。2型糖尿病のない肥満者対象。
  • VESPER-4試験(MET097):次世代GLP-1RA。世界196施設・3,500名規模で実施中。

よくある質問(FAQ)

インスリン治療中でも治験に参加できますか?+
試験によって異なります。VX-880試験などの1型糖尿病治験では、インスリン依存の方が対象です。2型糖尿病の試験では、服用中の血糖降下薬の種類・量が参加条件に関わります。
HbA1cの数値が高いと参加できませんか?+
試験によって許容されるHbA1cの範囲(例:7〜10%以内)が定められています。数値が参加条件に合わない場合でも、血糖コントロールを改善した後に再挑戦できる場合があります。
透析をしていても参加できる治験はありますか?+
透析患者を対象とした治験は少なく、多くの試験では透析が除外基準です。ただし透析前段階(eGFR 20〜50程度)のCKD患者を対象とした試験(REGEN-006など)では参加できる可能性があります。
1型糖尿病と2型糖尿病で参加できる試験は違いますか?+
はい、明確に異なります。1型は自己免疫・インスリン分泌不全・β細胞療法が対象。2型は血糖降下薬・腎保護・肥満が中心です。自分の型を確認してから試験を探しましょう。